ブラジルの素材・商材を検討するときに確認したいこと

ブラジルの市場に並ぶさまざまな豆類

ブラジルの素材や商材を検討するとき、最初に目が向くのは品質と価格です。サンプルを取り寄せ、見積もりを比べる。自然な進め方ですが、品質が良く、価格が合っていても、それだけでは「継続して取引できる相手か」までは判断できません。

ブラジルは日本から遠く、言葉も商習慣も異なります。距離のある取引では、「何が分かっていて、何がまだ分かっていないのか」を整理しながら進めることが、結果として近道になります。

この記事では、ブラジルの素材・商材を検討する際に確認しておきたいことを、五つの視点に分けてご紹介します。

1. 商材そのものを確認する

はじめに確認したいのは、商材そのものです。規格や等級、品質、ロットごとのばらつき、季節性、そして自社の用途との適合です。

ここで軸にしたいのは、「良い商材かどうか」ではなく、「自社の用途に合う商材かどうか」です。同じ品目でも、用途によって求められる規格や加工度は変わります。どの用途に、どの規格のものが、どれくらい必要か。先に自社側の条件を言葉にしておくと、相手への質問が具体的になり、返ってきた回答の確かさも判断しやすくなります。

また、農産物や天然素材では、収穫の時期や年ごとの作柄によって、品質や供給量に幅が出ることがあります。手元のサンプルは、ある時点の一部にすぎません。同じ水準のものが継続するロットでも保たれるのか、ばらつきの幅はどの程度か。サンプルの印象だけでは分からないため、確認すべき項目として残しておきたい点です。

2. 生産背景と供給元を確認する

次に、その商材が「誰によって作られ、誰が売ろうとしているのか」を確認します。

生産者と販売主体は、同じであるとは限りません。生産者、輸出者、仲介者と、複数の事業者が関わる商流は珍しくなく、それ自体が問題なのではありません。整理しておきたいのは、手元の情報が商流のどこから来たものか、条件を確認したいときに誰へ尋ねられるのか、そして自社は誰と契約することになるのか、という点です。

ブラジル産コーヒー豆の麻袋が保管された倉庫

あわせて、生産体制と供給量も確認します。一度の取引に応じられることと、必要な量を必要な時期に継続して供給できることは、別の問題です。生産の規模、出荷の実績、繁忙期の対応など、安定した供給の裏付けとなる情報がどこまで示されるかを見ていきます。生産や出荷の実際の体制は、資料だけでは見えにくい部分でもあります。

3. 取引条件を確認する

商材と供給元の輪郭が見えてきたら、取引条件です。最小取引数量、納期、価格の前提、輸送の方法、支払条件、サンプルの入手方法などが挙げられます。

価格については、金額そのものよりも先に、「その価格に何が含まれているか」を確認します。どこまでの費用を含んだ価格なのか、数量や時期によって変わるのか。前提の揃っていない見積もりを並べても、比較にはなりません。

また、日本へ輸入する段階では、品目によって規制や手続の確認が必要になる場合があります。この部分は品目や輸入の形態によって扱いが異なるため、案件ごとに所管の機関や専門家へ確認しながら進めることをおすすめします。

4. 情報の出どころを確認する

ここまでの三つと同じ、あるいはそれ以上に大切なのが、「その情報は誰が出したものか」という確認です。

商材の説明、生産量、供給の実績、取引条件。検討の材料になる情報には、必ず出どころがあります。供給元自身の説明なのか、間に入る事業者を通じて伝わってきた話なのか、公開されている資料なのか。同じ内容でも、出どころによって確かさは変わります。

確認したいのは、次の三点です。

一つ目は、一次情報か、伝聞か。情報の発信元から直接得た情報と、人を介して伝わってきた情報は、分けて扱います。伝聞が誤りだということではなく、伝わる過程で条件や数字が変わることがあるためです。

二つ目は、いつの情報か。数年前の生産体制や価格が、現在も同じとは限りません。資料や説明に日付があるか、現在も有効な内容かを確かめます。

三つ目は、重要な条件ほど、別の経路でも確かめられるか。取引の判断を左右する情報は、一つの説明だけに頼らず、供給元自身への確認や公開資料との照合など、異なる出どころから裏付けが取れるかを見ていきます。公開情報だけでは分からない点が残る場合は、現地で確かめるという選択肢もあります。

ブラジル・セアラー州の公共市場の様子

当社がご相談を受けて調査を行うときも、この整理から始めます。公開資料で確認できることを固めたうえで、それだけでは分からない点については、ブラジル現地の協力者が供給元や商材について現地で確認することもあります。そのうえで、どこまでが確認できたことで、どこからが未確認かを分けてお伝えするようにしています。出どころの異なる情報を、同じ重さで扱わないためです。

5. 「確認できたこと」と「確認が必要なこと」を分ける

最後に、ここまでの確認をどう扱うかです。

検討の初期段階で、すべてが分かっている必要はありません。分からない点があること自体は、問題ではありません。問題になるのは、不明な点を、分かっているものとして扱って進めてしまうことです。

「確認できたこと」と「確認が必要なこと」を分けて書き出しておくと、いま判断できることと、判断の前に埋めるべきことの区別がつきます。確認が必要な項目として把握している事柄は、商談の場ではそのまま相手への質問になります。次に何を確かめればよいかが明確なまま進められることは、遠い相手との取引で大きな支えになります。

品質と価格は、確認の入口です。その先にある生産背景、供給元、取引条件、そして情報の出どころまでを確かめていくことが、ブラジルの素材・商材と長く付き合うための土台になると、当社は考えています。

ご相談について

ブラジルの素材・商材の調査や供給元の確認について、検討の初期段階からご相談いただけます。依頼内容が固まっていなくても構いません。検討中の内容や、確認したいことをお聞かせください。

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